映画の感想

⚠︎ネタバレ含みます

この世界の片隅に

 

私は戦争に対して苦手意識がずっとありました。

きっと、戦時中に疎開していた祖母から、戦争の話を聞くのが嫌いだったから。

けれど、戦争について無知のまま大人になるのもどうかと思い、最近は好きな「映画」を通して、少しでも知ろうとしています。

 

この世界の片隅に」は戦争映画というよりも、戦時中を生きた女性の日常を描いた映画です。

戦争はこんなに悲惨でした!という直接的な描写がなくても、戦争の悲しさや虚しさがしっかりと伝わるものでした。

 

私のような戦争を知らない世代にとって「この世界の片隅に」は良い作品だな、と思ったのですが、戦時中を生きた祖母は映画を観て憤慨しました。

 

祖母の誕生日のお祝いに、と叔母が映画館へ連れて行きました。

この世界の片隅に」は高齢者にも評判が良いとのことで、広島近くに住んでいた祖母に観せてあげようと思ったんですね。

ですが、上映後に祖母は怒っていたそうです。「私が聞いていた事実と違うわ。よくもまぁこんな作品を上映できるわね。」

 

祖母が喜ぶのでは、と思っていた叔母は驚いていました。

祖母はそれ以上何も話してくれなかったそうなので、どの部分が聞いていた事実と違うのかを知ることは出来ませんでした。

 

この世界の片隅に」は、作品として世に出されたわけなので、限りなく事実に近いのではないかなと思います。

それに対し、祖母が聞いていた事実の信憑性は高くはないです。

戦時中、祖母が耳にした情報は正しかったのか。

何十年も経った祖母の記憶は美化されてはいないか。

 

ですが、祖母にとっては、自分が見聞きして感じていることが「事実」です。

 

恐らく、戦争を経験した人それぞれが、それぞれの「事実」を持っているのかもしれないですね。

 

これはきっと戦争だけに言えることではないのですが、何かを見聞きしたら、鵜呑みするのではなく、自分の物差しでしっかりと見極めたいですし、柔軟に受け止める姿勢を常に持っていたいです。

ハクソー・リッジ

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2017年6月24日公開。

 

公開初日に観てきました。

ソーシャル・ネットワーク」を観て以来、アンドリュー・ガーフィールドは好きな俳優さんの一人です。

 

物語前半は主人公と恋人のラブストーリー。

日常シーンは、映像に柔らかさと暖かみがあり、このままラブストーリーとして観たい!というくらい、素敵でした。

病院で口説く台詞や、映画デートでキスするタイミングを計らう仕草は、うわぁアメリカ人っぽいな〜という感じ。

 

恋人役のテリーサ・パーマーは、青みがかった緑色の瞳をしていて綺麗。

中盤で緑色のワンピースを着ているのですが、テリーサの瞳の色に合わせたのかな?

とても似合ってて魅力的でした。

 

結婚した後に二人の初夜シーンがあるのだけど、主人公はキリスト教徒だから結婚するまでヴァージンだろうしこれが初めてか!?!?!と余計な事を考えてしまいました。

でもそういう意味も込めてあのシーン入れたんだろうなぁ?

 

物語後半の戦場のシーンは、えぐい。

戦争映画は苦手で「フューリー」「アメリカン・スナイパー」「戦場のピアニスト」しか観たことないので比較しづらいけど…

銃で撃たれたら死亡、負傷しても血が流れるだけ、という描写が普通の映画なら多いけれど、ハクソー・リッジでは臓器が飛び散るなど、「グリーン・インフェルノ」並みにえぐい描写でした。

軍隊での訓練中のシーンにおいて、仲間達のキャラクターをわりとしっかりと描いていた分、戦闘中に彼等が負傷するのは観ていて辛かったな。

 

敵の日本兵役は、恐らく全員日本人俳優さんだったので、カタコトの日本語台詞では無かったのが良かったです。

 

でも、ハリウッド映画に日本人が出ると何故あんなにダサく映ってしまうんだろう?

キル・ビル」でも、日本のヤクザの描き方がなんだかニセモノ感が強くて残念だった記憶。

ハクソー・リッジでは、緊迫の切腹シーンがなんだか安っぽく見えました。

 

それから、ウワッ…と思ったのが、主人公がロープで吊るされながら救出されるシーン。

あんな風に、主人公を360度各方面から撮る必要があったのか?

臨場感を出したかったのかもしれませんが、急にリアリティが無くなってしまったので、いらない演出だなと思いました。

 

そんなとこですね。

戦争映画というよりは、信仰心(もしくは宗教関係なく個人の信念)についての映画のような印象でした。

兵士なのに信仰心から銃を持たない主人公のことを、上司や仲間達はなんだかんだ受け入れます。

アメリカは皆がクリスチャンでないにしろ、信仰している人も多いので、受け入れる耐性がついているのかな。

そこに日本との違いを感じました。
日本だったら絶対受理されないだろうな、特に昔は絶対無理だと思いました。
私は無宗教なので、正直主人公のポリシーについて「いやいや、戦時中なのに、信仰っていう個人の理由を組織が許してくれるのかよ…」と驚きました。

 

他者を受け入れる耐性があれば、多様性を認めることができ、価値観も視野も広がる。

同時に、柔軟性も身につき、臨機応変に対応出来る。

と、何かの本で読んだようなことを、主人公に対するアメリカ軍の対応を観て、ふと思い出しました。