映画の感想

⚠︎ネタバレ含みます

この世界の片隅に

 

私は戦争に対して苦手意識がずっとありました。

きっと、戦時中に疎開していた祖母から、戦争の話を聞くのが嫌いだったから。

けれど、戦争について無知のまま大人になるのもどうかと思い、最近は好きな「映画」を通して、少しでも知ろうとしています。

 

この世界の片隅に」は戦争映画というよりも、戦時中を生きた女性の日常を描いた映画です。

戦争はこんなに悲惨でした!という直接的な描写がなくても、戦争の悲しさや虚しさがしっかりと伝わるものでした。

 

私のような戦争を知らない世代にとって「この世界の片隅に」は良い作品だな、と思ったのですが、戦時中を生きた祖母は映画を観て憤慨しました。

 

祖母の誕生日のお祝いに、と叔母が映画館へ連れて行きました。

この世界の片隅に」は高齢者にも評判が良いとのことで、広島近くに住んでいた祖母に観せてあげようと思ったんですね。

ですが、上映後に祖母は怒っていたそうです。「私が聞いていた事実と違うわ。よくもまぁこんな作品を上映できるわね。」

 

祖母が喜ぶのでは、と思っていた叔母は驚いていました。

祖母はそれ以上何も話してくれなかったそうなので、どの部分が聞いていた事実と違うのかを知ることは出来ませんでした。

 

この世界の片隅に」は、作品として世に出されたわけなので、限りなく事実に近いのではないかなと思います。

それに対し、祖母が聞いていた事実の信憑性は高くはないです。

戦時中、祖母が耳にした情報は正しかったのか。

何十年も経った祖母の記憶は美化されてはいないか。

 

ですが、祖母にとっては、自分が見聞きして感じていることが「事実」です。

 

恐らく、戦争を経験した人それぞれが、それぞれの「事実」を持っているのかもしれないですね。

 

これはきっと戦争だけに言えることではないのですが、何かを見聞きしたら、鵜呑みするのではなく、自分の物差しでしっかりと見極めたいですし、柔軟に受け止める姿勢を常に持っていたいです。